わたしたちについて

代表挨拶

創業

私は石屋として二代目となります。創業の父は元々故人が亡くなられた際に参列された方へお返し等を手配するギフト屋を営んでいましたが、ふとした機会より長崎で長年石屋を営んでいた豊田さんという石工職人と出会い、2人で石屋を立ち上げました。

幼少期

私は小さい頃より石材やお墓に囲まれ過ごしました。 中学を卒業してから15才より豊田さんに弟子入りし他の職人さん含め色々な技術等を教えて頂き、早い時は朝四時に迎えにいらっしゃり仕事を始める日もありました(笑)

成人期

その1年後に専門高校へと進学し卒業までの間の休日は仕事を手伝っていましたが、石屋というキツくて大変で危険な仕事に当時は辟易し高校卒業後は大学進学を選択、大学卒業後も不動産会社へ就職し全国各地を転勤で回りました。

転機

転機は私が不動産会社へ就職し数年が経ったある日、父から豊田さんが亡くなられたという連絡がきました。 当時は転勤で沖縄に住んでいて仕事も多忙を極めており、課のチームに迷惑をかける為急な葬儀と言えども参列は叶いませんでした。

それから深夜に帰宅し 「朝5時から仕事をした」事や 「山奥の墓所に置かれ1人作業をしてそのまま夜まで忘れさられ急いで迎えに来て頂いた」事等 色々な思い出が思い起こされ、大事な人やお世話になった人が亡くなった時にも駆けつけられない生活に疑問を感じました。

帰郷

2020年、ひたすら働くといった日常に疑問を持ち続けていた事や地元を盛り上げたい気持ち、大人になり親族や友人の力になれる事がしたい、等色々な気持ちや状況が重なり私は不動産会社を退職し地元佐賀県へ戻ってきました。 飲食業を立ち上げるか、不動産業をやるか、それとも違う事をやるのか、色々なお誘いを頂きました。

実家に帰ってきたら父親とも久しぶりにゆっくり話す機会があり、石屋の仕事について尋ねました。 時代の流れとしてか、私が小さい頃はたくさん営業されていた石材を扱う石屋さんも、ご高齢による後継者不足や職人さんが亡くなられており廃業されている所が増えている様でした。

市場の方は、インターネットの普及や他業の大手企業の参入により、 かつての

(昔)お客さん→石屋

といった形式で直接行われていた契約ではなく

(例1)お客さん→全国展開する会社元請A→大きな地元の会社下請けB→作業する石屋
(例2)お客さん→営業のみのインターネットサイト→作業する石屋

といった具合に、お客さんと作業する職人の間にいくつかの中間業者が入る事により割高になっている様な状況に変わっているとの事であり、父や他の職人さんも下請けとして細々と食い繋いでいる様な状況でした。

石は重く、およそ30cm真四角の石=1才=80kg〜100kgという計算を行いますが、この1才の石が建込みや解体時に誤ってポロっと落ちて当たるだけでケガをしたり命を落とすリスクもあります。一般的なお墓(3段作り)の1番上の仏石と呼ばれる石だけでも300kgを越す物もたくさんあります。経験が少ない人はケガや死ぬリスクも高い為に成り手が少ない要因の一つだと思います。勤勉で技術をもった職人さん達と共に後世へ技術継承をしていきたい!そして、お客さんにとってもプラスになる事はあるのではないか、と考えた時に私が不動産会社で培った営業の経験を何とか活用できるのではないかと思いました。

そんな事を考えていたある日に私の友人が、墓じまいの相談をしてきました。経緯を聞いてみると、 友人の祖母が墓じまいを行いたいと言っているが、かつて祖母の親の代から懇意にしていた石屋さんは既に廃業されており、どこに相談していいか分からないから探して欲しいと友人の祖母から友人へ相談があり、代わりに友人がお墓関係の広告も打っているある仏壇屋さんへ見積もりを取ったそうですが、この価格は適正なのか見て欲しいという経緯でした。 内容を見せて貰いましたが、僕の父や知り合いの石屋さんの出している見積もり価格の3倍〜4倍程の見積もりでした。 見積もりの高さに驚きましたが、さらに驚いた事は友人の祖母はその高い見積もり価格を出した業者にお願いをしようとしていると聞いた事でした。

独立

家に帰宅してから「なぜお墓はわざわざお金のかかる石で作るのだろうか」「そもそもお墓について深く考えた事はないが、一体お墓とは何なのだろうか」という疑問が沸き起こってきました。

お墓はお骨を納める、それだけの場所・・・ただそれだけなのだろうか。他人よりも石材やお墓が生活に密着し、弟子入りまでした事がある私が、よく考えたら知らない事だらけだと思い何気なく石材やお墓について勉強を始めました。お墓は歴史、民族学、文化、思想、宗教と密接に繋がっており、国や地域により全く違うものでした。 ただ一つ世界で共通するものがあり、それを考えた時に、出来る事が見えてきたのです。

それは「先祖との繋がり」を作り「現代人の気持ちの豊かさ」を育む事です。

祖父から父へ、父から私へと伝えられた系譜は、大事に受け継がれていく先祖から子孫へと受け継がれていく血の流れそのものです。

私は長崎県鷹島の石屋さんに弟子入りした後に現在、父と共に石屋として再出発しています。その他家の建築にも一部携わらせて頂く事があるのですが、その中で感じる事があります。それは「家を建てる事」と 「お墓を建てる事」 は似た様な点が多いなと思います。

いくつか例をあげると
「先祖代々引き継ぐ事も相応にある」
「一生のうちにそう何度も売買を経験する事のないという点」
「元々の最低価格が高額であるのにさらに高グレード・高価格の物が選ばれやすい傾向にある」
というものが挙げられます。

自分や家族、生きている人が快適に過ごす為に買う物が家であり、 お世話になった人や大事な人が亡くなられた後に快適に過ごして貰う為に買う物がお墓だと思います。 私は15歳の頃に大好きだった祖父が亡くなくなり、今でもお墓参りをしています。

霊を見た事もないので、正直死後の世界があるかどうかは分かりませんが、祖父が亡くなって初七日の日に祖父が夢に出てきて手を振っていた事、 墓参りした後に気配を感じて振り向くと線香が風でピコピコなびいていた事 等からやみくもに死後の世界を否定する事は出来ないと思います。 偶然見た夢、ただの突風、であったのかもしれませんが、私はかつて祖父が居た時の様な優しい空気を感じましたし、口では言い表せない穏やかな気持ちになりました。

それ以来、思い悩んだ時やなにか大きな決断をする際は色々な話をお墓の前で話します。 もちろん返答はありませんが、墓誌(法名塔)に彫られた祖父の名前を見ながら、祖父が聞いてくれている、と思い話していると 「祖父ならこう言うだろうな」 など想像しているとホントに言われている 様な気がしたり、当時の記憶が蘇り、ポジティブな感情が湧いてきます。

祖父がいる、いないに関わらず、亡くなった人を慈しむ気持ちという物は凄く大事なもので尊いものだと感じます。 歳をとり生きていく中で、悪い人に出会う事もありますし騙される事もあります。 騙されない様、損をしない様に生きる事も大切ですが、日常生活で常に気を張り、生きて行く事を頑張りすぎて、生きて行く事に疲れている方もたくさんいる様に感じます。

世の中や社会に疲れた時は、無償で優しくしてくれた両親や祖父母、近所のおじいちゃんや友達など自分の良き理解者だった方を思い出してほしいです。 お墓でもお寺の納骨堂でも、樹木葬でも海洋葬でも何でもいいです。 大事な人が眠る場所に出向いて思い出す事で、現代人の皆さんが抱える強いストレスや悩みに対し、生きる活力を生んでくれるのではないかと思っています。

お墓に行けば大事な人に会える。その大事な人との会話を楽しむ事のできる「場所」を創りたい、と思っております。 これからもお墓から感じる 「心の居場所」 を作るお手伝いや出向きやすくする為の お手伝いをしていく所存であります。 また、その他の温泉の研磨作業や石垣工事、その他左官や外構工事など、お客さんのご要望に合わせ柔軟に対応を行っていますのでご相談下さい。

会社概要

名称石工房
設立1999年4月
代表中山大成
事業内容墓地・墓石の企画、設計施工、修復作業、石材加工、温泉研磨、石垣施工、外構工事
本社佐賀県唐津市肥前町万賀里川545-1
電話番号(連絡用)080-5256-8560

沿革

1999年4月佐賀県唐津市鬼塚に中山石材工業として創業
2021年6月石工房として独立